日々の食卓に不可欠なじゃがいも。しかし、実はこれが野菜でないかもしれないという話を耳にしたことはありますか?
私自身、この情報を初めて知ったとき、いちごが実は野菜であることを知ったときのような驚きを感じました。じゃがいもが野菜でない場合、それは一体何に分類されるのでしょうか?
この記事では、じゃがいもが本当に野菜であるのか、それとも穀物なのかを検証します。
農業的な側面、植物学的特徴、食品としてのカテゴリー、そして栄養面からじゃがいもを詳しく探求していきます。
じゃがいもの正体!野菜?それとも他の何か?
じゃがいもをただの野菜だと思っている方が多いかもしれませんが、実はその分類は思ったよりも複雑です。じゃがいもは多様な視点から分類され得ます。
もし野菜でなければ、どのように分類されるのでしょう?答えは単純ではありません。
じゃがいもを見る様々な分類方法
じゃがいもをどのように分類するか、主要な4つの方法を詳しく見ていきましょう。
① 農業的な観点からの分類
農林水産省は、野菜を「ほとんど加工せず、副食物として食用に供される草本性の植物」と定義しています。そして、以下のように5つのカテゴリーに分類しています。
分類 | 例 |
---|---|
根菜類 | じゃがいも・にんじん |
葉茎菜類 | キャベツ・玉ねぎ |
果菜類 | トマト・ナス |
果実類野菜 | いちご・スイカ |
香辛野菜 | 生姜 |
この分類によると、じゃがいもは根菜類に分類されます。これを見ると、じゃがいもは野菜として分類されそうです。
しかし、農業的な分類ではじゃがいもは「野菜」になりますが、他の野菜に比べて糖質が多い点が特徴です。
例えば、にんじんは100gあたり糖質が6.5g、玉ねぎは7.2gですが、じゃがいもは16.3gと大幅に高い数値を示しています。このため、じゃがいもを単純に野菜として分類するのは一考の余地があります。
通常、野菜は副食として利用されますが、糖質が多いじゃがいもはエネルギー源としての役割も担い、一部の国では主食としても用いられています。これらの国については後ほど詳しく説明します。
続いて、植物学的な視点からじゃがいもの分類を考察してみましょう。
② 植物学上の分類
植物学の視点から見たじゃがいもも、興味深い分類を持っています。
植物学というと少し難しく感じるかもしれませんが、じゃがいもは「ナス目・ナス科・ナス属・じゃがいも種」に分類されています。
これはなかなか長い名称ですね!
これによると、じゃがいもはナスやトマトと同じナス科に属しています。じゃがいもの花がナスの花に似ていたり、じゃがいもの花が終わった後にできる果実がミニトマトに似ているのも、同じ科に属するためかもしれません。
ナス目・ナス科・ナス属には食べられない植物も多く含まれていますが、その中に私たちがよく食べるじゃがいもがあるのは興味深い点です。
③ 食品としての分類
食品としてのじゃがいもの分類もまた異なります。この観点からは、じゃがいもはいも類に分類され、穀物ではなく、穀物に近い主食としての農産物になります。
ここまでの情報で頭が混乱しているかもしれませんが、じゃがいもがこのように分類されることもあります。日本では主に米を主食としますが、ドイツやイギリス、フィンランド、アイルランドなどではじゃがいもが主食とされています。
米はおかずを中心に食べるイメージがありますが、じゃがいもは様々な料理法で調理可能で、それ自体がメイン料理としての役割を果たすこともあります。
④ 栄養面での分類
栄養素に注目してじゃがいもを分類する方法を考えてみましょう。食品の栄養成分データに基づくと、じゃがいもは野菜や穀物とは別に、「いも類および粉類」として分類されることがあります。
この「いも類」とは、植物の根や地下茎が養分をたくわえて膨らんだ部分のことです。
こんにゃく、さつまいも、とうもろこし、くずきり、春雨なども、この分類に含まれます。じゃがいもがこのグループに入る主な理由は、含まれるでんぷんの性質にあります。
見た目では粉っぽくなさそうなじゃがいもですが、加工するとでんぷん粉になります。多くの人が知る片栗粉のように、水に溶かして熱を加えると固まる特性を持つでんぷんの多くは、実はじゃがいも由来です。
以前はカタクリという植物から得られたでんぷんが使われていましたが、最近はじゃがいもを原料としたものがよく使われています。
このような点から、じゃがいもが「いも類および粉類」と分類されることには、一定の理由があると言えるでしょう。
まとめ:じゃがいもの秘密!野菜じゃないって本当?それとも穀物なの?
4つの異なる観点からじゃがいもの分類を探究してみましたが、どの分類が一番適切かという問いには、複雑かつ不確かな答えしか出てきません。
これまで一般的には野菜と考えられていたじゃがいもも、「明確に野菜である」と簡単には言えない状況が浮かび上がっています。
それぞれの分類方法を詳しく検証してみると、各観点にはそれぞれ合理性があることが分かります。
じゃがいもをただの「野菜」という枠に限定せず、その多面的な特性を理解し、様々な側面から捉えることが重要だと言えるでしょう。