「晩夏とはどのような意味を持つのでしょうか?」
「具体的にはどの月からどの月までが晩夏にあたるのでしょうか?」
「どのようにして季語として表現するのでしょうか?」
多くの場合、「晩夏の候」という言葉を使って、正式な手紙を書くことがあります。しかしながら、その期間や意味の詳細を理解している人は多くありません。礼儀をわきまえた書き方で用いるためには、その意味をしっかりと理解しておく必要があります。
この記事では、晩夏の意味と具体的な期間、そして手紙での季語としての正しい使い方を紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
晩夏とは?その意味と読み方
晩夏の読み方について
晩夏は手紙や挨拶で使われることがあり、「ばんか」と読みます。季節を示す似たような表現には以下のものがあります。
・晩春(ばんしゅん)
・晩秋(ばんしゅう)
・晩冬(ばんとう)
晩夏の意味とは?
晩夏は夏の終わり頃、秋の訪れる前の時期を指します。この「晩」という言葉には「日が暮れる」という意味や「時期が遅い」という意味があります。
日常では「晩御飯(ばんごはん)」、「今晩(こんばん)」、「昨晩(さくばん)」などと使われることが多いですが、晩夏では季節が遅れていることを示します。
また、「晩」が使われる他の例としては以下のような言葉があります。
晩年(ばんねん):人生の終わりに近い時期
晩成(ばんせい):歳をとってからの成功
晩学(ばんがく):年をとってから学ぶこと
このように、晩夏は夏の最後の暑さが感じられる時期を意味します。
晩夏はいつ?具体的な期間とその意味
晩夏は、「夏の終わり」としてさまざまな定義があります。主なものとしては以下の三つが挙げられます。
・処暑:一般的な夏の終わり
・旧暦の六月
・旧暦での小暑から立秋の前日まで
それぞれの時期について詳しく見てみましょう。
処暑(一般的な夏の終わり)
一般的に夏の終わりとされるのは「処暑」の期間で、夏の暑さが和らぎ、朝夕が涼しくなり始める時期を示します。
この期間は毎年8月23日から9月7日ごろに設定されており、これが一般的にイメージされる「晩夏」です。
旧暦の六月
旧暦における六月は、夏の最後の月です。
旧暦での夏は四月から六月にかけてとされ、2023年の現代のカレンダーで言うと7月18日から8月15日までが該当します。これが旧暦に基づく晩夏の期間になります。
旧暦の小暑から立秋の前日まで
二十四節気を基に考えた場合、晩夏は小暑から立秋の前日までとされます。これは7月7日から8月7日までを指し、夏の末期を示す時期とされています。
これらの期間は俳句での季語として使用されることもあり、「晩夏の候」としての挨拶にも適しています。
「晩夏の候」という季語、どのように使う?
晩夏という季語の使い方とその注意点
晩夏とは、具体的に以下の三つの期間に分類されます。
処暑:8月下旬から9月上旬
旧暦の晩夏(月切り):7月18日から8月15日
旧暦の晩夏(節切り):7月7日から8月7日
普通、多くの人が処暑を晩夏の典型的なイメージと捉えます。しかし、季語として「晩夏」を用いる際には、二十四節季に基づいた7月7日から8月7日の期間が対象となります。
時代の変遷と共に気候が変わってきたこともあり、この期間が季語としての晩夏とされています。ビジネス文書や公的な書面で「晩夏の候」という表現を用いる場合、現代では7月よりも8月、特に中旬から下旬の使用が一般的で、これが受け手にとっても自然と感じられる傾向があります。
「晩夏の候」の表現と夏の季語の使い方
「晩夏の候」という表現の文例
「晩夏の候」という表現を使った手紙の書き方をいくつか紹介します。
【ビジネス文書】
「晩夏の候、貴社の一層の発展を心よりお慶び申し上げます。」
「晩夏の候、皆様の健康と繁栄を心からお祈りしております。」
【目上の方への手紙】
「晩夏の候、先生の益々のご活躍をお慶び申し上げます。」
「晩夏の候、ご家族皆様のご健康と幸福を願っております。」
【親しい友人や家族へ】
「晩夏の候、連日の暑さの中、いかがお過ごしでしょうか。」
「晩夏の候、秋の訪れを感じさせる日々、お変わりありませんか?」
季語による季節の挨拶
【7月の季節の挨拶】
「梅雨明けの候」:7月上旬
「仲夏の候」:7月上旬
「盛夏の候」:7月上旬〜中旬
「大暑の候」:7月中旬〜下旬
「酷暑の候」:7月下旬
「炎暑の候」:7月下旬〜8月上旬
「灼熱の候」:7月下旬〜8月上旬
【8月の季節の挨拶】
「立秋の候」:8月中旬〜
「納涼の候」:8月中旬
「残夏の候」:8月中旬〜下旬
「残炎の候」:8月中旬〜下旬
「季夏の候」:8月中旬〜下旬
「早涼の候」:8月中旬〜下旬
「晩夏の候」:8月下旬
まとめ
この記事では、「晩夏」という時期の意味と具体的な期間について解説しています。
晩夏は、一般に「夏の終わり」を意味し、次のような時期が該当します。
処暑:8月下旬から9月上旬
旧暦の晩夏(月切り):7月18日から8月15日
旧暦の晩夏(節切り):7月7日から8月7日
手紙で季節の挨拶をする際、「晩夏の候」という表現を用いることがあります。
本来は節切りの7月7日から8月7日の間が正しい時期ですが、現代ではこの期間に使うことは少なく、より一般的には8月中旬から下旬にかけて使用されます。この表現を用いる際は、時期を考慮することが重要です。