すずらんといえば、春が来るとその鐘のような形の花を咲かせ、繊細な美しさで多くの人に親しまれています。
このユニークな形や花の咲き方には特徴があり、実はすずらんに似た様々な種類の植物が存在するのです。これらの植物を見分けるためには、それぞれの特徴を理解することが大切です。
この記事では、すずらんに似ている様々な色の花や、木に咲く花など、特に白、ピンク、紫、オレンジ色の花を紹介し、それぞれの名前や特徴を詳しくご説明します。
すずらんのような花を見分けるコツ：色と形状に注目
色と配置ですずらんに類似する花を識別
すずらんのような花を識別する際、まず花の色への注意が必要です。
白やピンク、紫、オレンジ、赤といった鮮やかな色合いの花も存在し、これらの色が名前を特定する手掛かりになります。
白い花の場合、似たような他の花が存在し、細部に注目する必要があります。
スノーフレークの例では、植物の高さや花のつき方、葉の形などが判別のヒントになります。
草花か樹木かですずらん風の花を見極める
すずらんに似た花は草本に限らず、樹木に咲く場合もあります。
馬酔木などツツジ科の植物は、すずらんを思わせる釣り鐘型の花を咲かせることがあります。
このような木本の花も、種類を特定する際の重要な手掛かりとなります。
花の色や形だけでなく、植物が草本か木本かという基本的な分類も重要です。
すずらんの特徴を理解する
日本のすずらんとヨーロッパ原産のドイツすずらんは、それぞれ異なる特徴を持ちます。
ドイツすずらんはより大きく、葉の高さで開花し、花の内部には赤みがあることが特徴です。
日本すずらんは小さめで、花茎が短く葉に隠れて花を咲かせ、雄しべの周りが真っ白です。
どちらも繊細な香りが魅力で、香水の原料として価値があります。
白く美しいすずらん風花の紹介
すずらんに類似した花その1：ハルノカガミ
ハルノカガミは早春に咲く、下向きに優雅な白い花をつける多年草です。
開花時期が早いことと、一つの花茎に一つの花がつく点で、すずらんとは区別されます。
長い外側の花弁と短い内側の花弁、さらに内側の花弁にある緑のマークが、この花を特定する際のヒントになります。
すずらんに似た花その2：ユキヤナギ
ユキヤナギは春と秋に美しい白い花を咲かせることで知られ、すずらんに類似しています。
特に、花弁の外側に見られる緑の斑はこの花の特徴です。
水仙を思わせる長く細い葉と、比較的高い草丈もユキヤナギの特徴。日本では主に春に見られますが、秋にも開花する種類があり、原産地のヨーロッパでは夏に開花します。
すずらんに似た花その3：シラン
シランは、日本の自然環境にも生息し、春にすずらんに似た白い花を咲かせるナルコユリ属の多年草です。
その高さと、花弁の先端に微かな緑色が見られる細長い花の形が特徴的です。
シランは、ナルコユリと非常に似ていますが、花と茎の接続部分に突起がない点で区別されます。
すずらんに類似した花その4：ナルコユリ
ナルコユリも春に美しい白い花を咲かせるナルコユリ属の植物で、シランとよく似ていますが、花と茎の接続部に突起があることと、茎が丸い形状をしていることで識別できます。
これらの特徴は、ナルコユリとシランを見分ける上での重要なポイントです。
木に咲くすずらんを思わせる花々
すずらんに類似する花その5：アセビ
春の訪れと共に、アセビはベル型で小さく5つに裂けた花を房状に咲かせる樹木です。
本州南部の山地に自然に生え、野生では白い花が多いですが、園芸品種ではピンクや赤もあります。
美しい赤い新芽と共に、庭や盆栽で親しまれています。
すずらんに似た花その6：ドウダンツツジ
ドウダンツツジは、春から初夏にかけて、すずらんを想起させる花を開花させる樹木です。
アセビと比べて花形が丸く、すずらんにより近い印象を与える特徴があります。
また、花柄が長く、花が散らばって咲く様子も特徴的です。
すずらんに類似する花その7：ブルーベリー
ブルーベリーは果物としてのイメージが強いですが、春にはすずらん風のベル形花をつけるツツジ科の植物です。
花弁の端には5～6つの切れ込みがあり、その形状はすずらんとは異なります。
枝の先に白やピンクの花を集めてつけることが一般的です。
すずらんに似た花その8：ボロニア
オーストラリア原産の常緑樹、ボロニアは、春にすずらんを連想させる形の花を咲かせます。
メガスティグマやフェテロフィラといった品種は、小さなベル形の花をうつむき加減で咲かせ、細い葉と柑橘系の香りが特徴です。
鉢植えや庭木として、枝いっぱいに花を付ける人気のある種類です。
すずらんに似た花その9：エリカ
エリカは、ツツジ科の一員で、様々な色の釣り鐘型または筒形の小さな花をつけます。
細い針のような葉と、通常1m以下の低い樹高が特徴的です。
花は茎から垂れ下がる形でつき、その多様な色彩は庭や鉢植えで人気の園芸種です。
すずらんに似たカラフルな花紹介：ピンク、紫、オレンジ編
ピンク・オレンジ色のすずらん風花：オランダカイウ
もしオレンジや黄色のすずらんのような花に出会ったら、オランダカイウかもしれません。
南アフリカから来たこの多年生植物は元々初夏に花を咲かせ、日本では切り花として一年中見ることができます。
そのふっくらとした提灯のような形状と、垂れ下がる花はすずらんを思わせ、アレンジメントにもよく使われます。
青紫が美しいすずらん風花：ブルーベル
春の終わりから初夏にかけて、青紫色の鈴蘭のような花が目に留まったら、ブルーベルの花かもしれません。
この多年生植物はヨーロッパの森に自生し、青紫色が一般的ですが、ピンクや白の花もあります。
スリムな形で下向きに咲くその花は、まさに鈴蘭を彷彿とさせます。
赤紫色のすずらん風花：シラン
赤紫色ですずらんのように見える花を求めているなら、シランがぴったりです。
ラン科に属するこの植物は野生でも園芸でも人気があり、花が完全に開かない独特の形で下を向いて咲きます。
近くで見ると、ラン特有の唇弁が見え、すずらんとは異なる魅力を持ちます。
ハート型の花を持つすずらん風植物：タイツリソウ
タイツリソウは、ハート形の花が茎から垂れ下がる美しい多年生植物です。
すずらんと直接似ているわけではありませんが、下向きに咲く花の姿が似ています。
裂け目が入った葉とアーチを描くような花茎もこの植物の特徴で、特に白い花はすずらんの雰囲気に近いです。
まとめ：すずらんにそっくりな花を見分けるためのポイント
今回、すずらんと間違えやすい花々について、その色や木に咲くかどうかといった特徴から分類してご案内しました。
白色のすずらんによく似た花は特に見分けが難しいですが、いくつかの識別ポイントを覚えることで、それぞれの花の名前を正確に識別することができます。
「すずらんと紛らわしい花々の特徴と見分け方」をテーマに、特に白、ピンク、紫の花や、木に咲く花の例を挙げて解説しました。
