じゃがいも料理を作った時に、時々出くわす苦味に困惑した経験はありませんか？この苦味は、じゃがいもが持つ特定の成分が原因です。
家庭で作ったじゃがいも料理を食べた時、思いがけず苦味を感じたことがあります。しっかり味付けをしていたにも関わらず、苦味が目立ってしまいました。
その時は結局食べ残してしまったのですが、後になってじゃがいもに含まれる成分が苦味の原因だと知りました。
この記事では、じゃがいもの苦味がどうして生じるのか、そしてそれをどのように取り除くかについて説明します。また、電子レンジを使用した手軽な調理方法もご紹介します。
じゃがいもの苦い成分について
じゃがいもを食べた時、不快な苦みを感じたことはありませんか？料理してもなかなか取り除けない、口の中に残るその苦みについて説明します。
実は、じゃがいもだけでなく、多くの野菜には苦味を引き起こす成分が含まれています。これらは自然界に存在する毒素の一種で、その性質について詳しく見てみましょう。
苦味を引き起こす成分「ソラニン」
じゃがいもの苦味の主要な原因は「ソラニン」という成分です。これはじゃがいもに特有の毒性成分で、聞きなれない名前かもしれません。
ソラニンは苦味を与える成分で、じゃがいも100g当たりに20mg以上含まれていると、強い苦味を引き起こします。
特に芽や緑色に変わった部分に多く含まれており、過剰に摂取すると食中毒の危険があります。
また、じゃがいもに発生する嫌な臭いやカビも、このソラニンが原因です。
食中毒の可能性
普段何気なく食べているじゃがいもですが、ソラニンによる食中毒の事例は実は少なくありません。
体重50kgの人が50mgのソラニンを摂取した場合、健康に影響が出ることがあります。子どもは特に影響を受けやすいとされています。
主な症状には吐き気や下痢、頭痛、腹痛、めまい、全身のだるさなどがあります。苦味が強い部分、特に芽や色が変わった部分にソラニンが集中しているため、これらを調理前にきちんと取り除くことが重要です。
次に、じゃがいもの苦味を減らす方法を詳しく解説します。
じゃがいもの苦みを和らげる方法
じゃがいもに含まれる苦みの主成分であるポテトグリコアルカイドを取り除くためには、調理する前の準備が肝心です。
ここでは、じゃがいもの苦みを抑えるための適切な下処理と調理方法を紹介します。
じゃがいもの下処理：芽と緑色の皮を除去する
じゃがいもを扱う際、芽や皮の色が変わった部分を除去しているでしょうか？
じゃがいもの芽にはポテトグリコアルカイドが豊富に含まれており、人体に有害な影響を及ぼす可能性があります。また、味にも影響するため、これらの部分は取り除くことが推奨されます。
太陽光に長時間さらされたじゃがいもは光合成を行い、その過程でポテトグリコアルカイドが生成されることがあります。
日の光が当たる場所で保存していると、じゃがいもは少しずつ緑色に変わり始めます。
この緑色の部分にもポテトグリコアルカイドが含まれているため、注意して皮や変色部分を包丁やピーラーで丁寧に除去してください。
じゃがいものあく抜き：水につけてデンプンを洗い流す
ポテトグリコアルカイドは水に溶けやすい成分ですので、じゃがいもを水につけておくと、苦味成分が溶け出します。
じゃがいもを切ったら、10分程度水に浸してから、流水でよく洗い流しましょう。この時、水が白く濁ることがありますが、これはじゃがいものデンプンが原因であり、心配する必要はありません。
このような調理前の工程を踏むことで、じゃがいもの苦みを軽減できます。
じゃがいもの蒸し方と茹で方のコツ
じゃがいもを調理する際、メニューに応じて蒸すか茹でるかを選択します。
蒸す場合には、蒸し器が役立ちます。鍋に水を2〜3cmほど入れその上に蒸し器を置き、じゃがいもを配置します。蒸し器のメリットはじゃがいもが直接水と接触しないため、形が崩れにくい点です。
茹でる際にはじゃがいもを鍋に入れてから火をかけます。じゃがいもは他の野菜と比べて火の通りが悪いので最初からじゃがいもを水に入れ、一緒に加熱していくことがコツです。
電子レンジを利用した時短調理法
時間を節約したい場合、電子レンジを使用する方法がおすすめです。
じゃがいもを水で濡らしてラップで包むか、または濡れたキッチンペーパーで包んでください。600wで約3分加熱した後、冷ますまで待ってから皮を剥きます。
熱い状態で剥くと皮が簡単に剥けますが、火傷には注意が必要です。電子レンジでの加熱は、蒸しや茹でた状態と同様になるため、忙しい時に便利な方法です。
まとめ：じゃがいもの苦味を軽減する方法
この記事では、じゃがいも特有の苦味を引き起こす成分「ポテトグリコアルカイド」と、その除去方法について解説しました。
じゃがいもを食べる際に苦味を感じたことがある方、あるいは感じたことがない方にも、苦味を和らげる下処理の重要性をお伝えしています。
じゃがいもの小さな芽や色が変わった部分をきちんと取り除くことで、料理の美味しさを高めることができます。ちょっとした手間で、料理の風味を大きく改善することが可能です。
